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* 龍の夢想帳

日時: 2008/09/05 00:46 メンテ
名前: はいどら

目が覚めれば在った、
目が覚めれば居た、
目を開けると消えた、
目を開けると亡くなった、

夢は表裏一体、
私の思う現がアナタの夢、
アナタの思う現が私の夢、

だから私は夢を記す、
だからアナタは夢に記す、
私とアナタの夢想帳、
其処に在るのは夢想ばかりで現ばかり、
其処に居たのは現ばかりで夢想ばかり、
其処だけに変わらぬ夢現が在る夢想帳、


八月五日午前零時五十三分、
龍の夢想帳が開く、
 
Page: [1]
* 桃源郷 ( No.1 )
日時: 2008/09/07 02:17 メンテ
名前: はいどら

「なぁ」
「何だ」
「桃源郷とはあると思うか?」
彼が話題に上らせたのはそれだった、
「……馬鹿かお前」
「奇人変人である自覚はあれど馬鹿ではないな、で、どう思う」
「世界地図見ろ」
「阿呆か貴様」
「黙れ馬鹿」
「ボキャブラリが貧困であることは阿呆の一要素だな、で、どう思う」
彼はこの話題から話をそらすつもりは無いらしい、
「無いんじゃないのか、地理で習わなかったからな」
「阿呆か貴様」
「ならお前は馬鹿か」
「現実的な問題ではないよ、私が話しているのは意識的且つ人の内在的或いは意識的とも言い換えることの出来る問題でわかりやすく言えば人の精神面における真の理想と言うものの体現とはこの現実世界に置いてありえるのかはたまた」
「少し黙れ馬鹿、コミュニケーション能力が欠落しすぎだ」
「……」
しばし沈黙、
恥じているのか、彼は腰まで伸びた髪をかきあげる、
女性と言っても差し支えは無い端正な顔立ち、
……人形のように鎮座していればさぞかし綺麗だろうに、
こんなことを考える俺には決してそっちの気は無い、
「……で、あると思うのか」
「地理では習わな」
「人をからかうな」
「ふむ……それは人の欲望に際限があるかどうかって言い換えることが出来るな」
「あぁ」
「究極の理想の到達か、俺はありえないと思うけどな」
「何故だ」
「そりゃあ……人は常に新しいものが欲しくなる生き物だろ?」
「阿呆」
「……人の意見聞いといて阿呆とは何だ」
「桃源郷は恐らくは存在する」
「人の話を聞け」
「人の欲望に限りが無いかどうかではなくその人がそれに死を見出しえるかどうかで―――」
待て、さっき欲望に再現が在るかどうかと言い換えることが出来るって俺の意見に賛成しただろ、
そんな言葉が喉の奥にこみ上げるがコイツが人に話を求めておいてその実聞く気など殆ど無いのは分かっている、
漆黒の着流し、漆黒の扇、腰まで伸びた髪は艶やかで、
……見た目は美しいのに陶然とした表情で奴が語る内容は普通の人間は興味も無い取り留めの無いこと、
その気になれば何だって飛び越せるだろうに、
その気になれば素晴らしい栄誉を手にすることもできるだろうに、
彼が興味があるのは己だけなのだ、
己の思考にただ埋没し、ただひたすらに内向し、
それはどれほど、哀しいだろう、
「―――つまりだな、其の人の究極の快楽と言うのは常に死の近辺に依存し尚且つ死とは相容れぬものだ、
 それならば人がそのためならば死ぬであろう、それに命を懸けるだろうという死を求めるものが見つかればそれはその人の精神的桃源郷だ」
「……じゃあお前の桃源郷は何処だよ」
「言うまでもない、此処だ」
本にまみれた、雑然として尚且つ整然とした彼の部屋、
其処を彼は桃源郷とする、
整然とした雑然、
整えられた小さな狂気、それは身近なものにとっては崩壊した大きな狂気よりも恐ろしい、
「……お前、大学来ないのか」
「あぁ、行く必要があれば私は行くだろうな」
しばし沈黙、
「お前、生きてるのか?」
「前も聞いたな、私は死んでいるよ、そしてそれを愉しんでいる」
クツクツと彼は小さく笑う、
「金など稼ごうと思えば他人の論文の代筆に限らずここにいながらにして文を書くことでいくらでも稼げる、
 例え私の保護者の送金が止まっても私は生命的に生きていける、だからこそ社会を排斥し、排斥された私は死んでいる」
「そうか」
なら仕方が無いだろう、
哀しくはあるが、恐ろしくは在るが、
彼は孤独であり、ただ只管に内向して存在するのだろう、
俺はこの部屋にあふれた本の一つを手に取る、
そして彼が口を開く、
「……それでも私は、お前が居るならば何処へでも行くよ、お前と言う要素は私の桃源郷の一部だ」
「……男からそれを言われても嬉しくないな」
「何だ、俗物的だな」
「お前は言っていることが高尚過ぎてよく分からん」
「あぁ、それでいい、
 私の話をただ只管に聞き流すだけの存在が必要なんだ、私に興味があり、尚且つ私の言葉に興味の無いものが」

そして彼は今日もその部屋に居る、
恵まれた容姿も知恵も全てを敢えて無駄にしながら、
目的も無く彼は今日も埋没していく、









突発的短編、
『よし、久しぶりに文章書こう!』
そう考えてタイトルを書き始めたら『桃源郷』と出たのでとりあえず何も考えずに書き始めました、
書いててちょっと気に入ったのでこいつらはまた出したいと思います、いずれ、
プロット立てる人とか居るみたいなんですが我輩はそれが出来ず何も考えないで人物に喋らせてみて勝手に動かせてるだけで、
そのため文章に齟齬が発生しやすいのですよねぇ……
今回はどうやら描写量少なめで来たようです、
途中からあまりにも量が少ないことに気付き意図的に文章量を増やしてみましたが、どんなもんでしょうか、
描写量って極端に少なくてもいいんですかねぇ、
とりあえずとってもお久しぶりに新しい短編です、
* 突発連載超短編「彼の名は」 ( No.2 )
日時: 2008/09/11 01:11 メンテ
名前: ハイドラ

鮮やかな剣捌きで怪物を薙ぎ倒し、
煌めく魔法で悪党を薙ぎ払う、

誰もがその輝きに憧れ、
誰もが彼ならばと期待する、
人々は彼を勇者としか呼ばない、

「勇者様、是非お名前を・・・」
「ななな、名乗るほどの者ではございません」

決して名乗らず、

「俺様を倒すとは・・・名前を聞かせてくれ」
「悪党に名乗る名はない、っつーか名乗りたくない」
固く名乗らず、

「勇者様、旅を共にするのですからせめて名前を・・・」
「ほら、あのー、なんだ、名前とか表面の物以上のアレが、ね」

意地でも名乗らず、

「別の世界の貴方よ、この世界を救う勇者としての名を与えましょう」


「貴方は勇者『ああああ』です」


「呼ばないでくれぇーッッ!!」

名前にコンプレックス全開な勇者の伝説、
もう魔王とかどうでもいい彼はどう生きるのか、
神に与えられたその名前を改名する手段はあるのか、

新超短編「彼の名は」

今のところは執筆の目途はありませんっ!
* 『お前よりも』(上) ( No.3 )
日時: 2008/10/15 22:22 メンテ
名前: はいどら

その少年は目の前で兄が殺されるのを見た。
長い刀で首を一撃で刎ねられたのだった、
彼が尊敬していた、優しくて強い兄、
徴兵されて軍に行った兄はすぐに帰ってきて、それから外に出なかった、
そしてある日に黒い鉄の塊に身を包んだ男がやってきて、家の中に踏み込み、兄を殺害した、
彼らには八年前から両親が居なかった、
父は彼の生まれた頃に家を出て行き、母はその頃流行っていた病にかかり、死んだ、
兄だけが唯一の肉親で、働いて彼に必要な衣服や食事、或いは必要な教育を与えた、
勤勉で働き者だった兄のおかげで、彼ら二人が生きていくには困っていなかった、
しかし兄が徴兵されることとなったとき、ごく僅かな蓄えだけでは生きていけないだろうと思い、十歳だった彼は近くの村のありとあらゆる雑用を手伝い、そして利用できるゴミを拾い、売り、彼に出来る精一杯の方法で金を稼いだ、
彼の兄は十八歳でその人生の幕を閉じた、
泣き叫ぶ彼に対し黒い男はこう言った、

『俺はお前よりも大人だから、世界がいかに醜いかを知っている、常に理想は裏切られ、正反対の望みは決して両立せず、大概は片方さえ叶わない、
 だから俺は自分の大事な人や物を守る術を知っている、綺麗事も願いも決して現実にはならない現実で、強さだけが何かを守ることが出来る、
 理想は叶わないから理想で、綺麗事は現実がもっと汚いから綺麗事なんだ、俺はお前よりも強い、だから貴様の兄を奪える、嫌なら強くなれ』

彼はそれから、貪欲に強さを求めた、
貪欲に強さを求める一方、心の純粋さを失うことはしなかった、
兄が遺してくれた物だからだ、
最早守る人の居ない彼は守りたかった物のために強くなった、





「おい、ユーヤ、出撃準備は大丈夫なのか?」
「うん」
コールドサンド地区前線基地、
嘗てホーツラナドと呼ばれたこの地区は数十年前の世界汚染の影響で砂漠化し、植物は一つも生えていない、
やや寒冷なこの地域は、しかし雪は殆ど降らない、
一度降れば解けることなく積もり続けるが、冬に僅かに降る以外にユーヤはこの地域で雪を見たことがない、
シドレイア・デーフィがユーヤの傍に座る、
TAT格納庫の隅の机だった、
まだアーマーは着ていない、
「ユーヤ、今日もまたクールなことをするのか?」
「うん、今日はクレイジー・ラットよりも常に前で戦って、ラットよりも遅く帰る」
「それはまたクレイジィだ」
クレイジー・ラットと言うのは無論あだ名だ、
ラーヴィッド・ドーウォフは小柄な身体とその名前からラットと仲間内では呼ばれている、
しかしラーヴィッドはその背丈に不釣合いな巨大な対TATウォーハンマー『ミョルニル』を持って一番に敵陣に突っ込み、帰還も遅く、平均の敵機撃破数も最も多いのでクレイジー・ラットと呼ばれる、
「シディは準備はどうなの?」
「大丈夫、弾薬もライフルもFデバイスもばっちりだ、ユーヤの方が俺よりも武器数も弾薬も多いんだから、もう一度しっかり確認してくるといい」
「うん、分かった」
席を立つユーヤを見送りながらシディは思う、
自分も其処まで武装が薄いわけではない、
対戦車用の巨大なライフルを持って、背中にミサイルを背負って、
そうして遠距離から敵を狙い打つ後方支援が彼の仕事だ、
その彼よりもユーヤの武装は重く、多く、そして彼は前線で戦う、
携行型ガトリングが二つ、大口径のハンドカノンが二つ、近接戦闘用ブレードとショットガンとグレネードランチャーが一つにレールガンが一つ、
レールガンは背負って、そのほかは全て腰につけて、
そして幾つかの手榴弾を持っていく、
しかし其処までの重装備の中彼は、俊敏だ、
バーニアの強さを通常より強化したその機体は速さだけはあるが細かい動きが出来ない、
その部分を彼は判断の速さでカヴァーする、
ガトリング二つで突っ込んだ後は敵の装甲や数、分布を見て即座に判断し、使う武器は使い、使わないものはしまうか、もしくは捨てる、
そして捨てた後に必要になれば一連の動きの中で拾う、
彼は戦場で常に五秒先を考えているような動きをする、
それは一秒先の生死すら分からない戦場では非常に強みとなる、
そんな彼も十分に、クレイジーに思えた。
* Re: 龍の夢想帳 ( No.4 )
日時: 2008/10/15 22:43 メンテ
名前: はいどら

世界観

数十年前に世界規模の環境汚染が広まり深刻な状態となります、
現代の温暖化とかよりももっともっと悪くなった感じです、
其処から旨いこと何とか立て直しますが世界の幾つかの地域は砂漠化します、
そのため若干環境は劣悪になり、本来植物のなかった地域に無理やり植物を植えたり、今までコンクリートだった場所に植物を植えたりして何とか二酸化炭素の増加を防いでいます、

TAT設定

Fデバイスという特殊な装置で力場を発生させて、銃弾の速度を弱めます、それによってどうにか攻撃を防ぎますが、かと言って無敵ではないですし、エネルギーが切れりゃいい的です、
Fデバイスで発生した力場は自分を中心にして放射状にベクトルが広がる力を放出します、
なので銃弾を防ぐだけでなく、ゼロ距離で放てば相手を吹き飛ばすことも出来ます、
また、至近距離で互いに力場を発生させると当然逆のベクトル同士がぶつかるので力は中和されます、

TATは脊髄などの神経系の要所要所にチップを埋め込み、其処から電気信号を読み取って動きます、
このチップがどれだけ体に馴染むかで反応速度が決まるのでTATを使えることはある程度才能です、
実際にTATを使うことが出来ない人も居ます、割と多く、
そのためTATを使える人は強制的に兵士として集められますし、結構優遇されます、普通の兵士の階級一つか二つ上くらいの扱いは受けれます、
また、どれだけ体にチップが馴染む人でも僅かなタイムラグが殆ど必ずといっていいほど発生しますので、TAT兵は常に若干先を読んで動かなければ簡単に被弾します、
ただ、互いにタイムラグがあるため、実際の戦闘ではそれはあまり意識されず、タイムラグのない方が動きが速いと感じる程度です、
このタイムラグが少ない人はどれだけへたれでもある程度強い兵士になれます、一瞬の差は案外大きいです、というか、タイムラグが少なければ相対的に相手より速く動けます、
もしチップが完全に体に馴染み、タイムラグが殆どゼロといっても差し支えない人がいたならばその人次第ですが、最強のTAT兵となることも可能でしょう、つまり主人公フラグです、
ちなみに、チップはその他の身体に接続する機器、つまりある程度精密な動きをする電気的に接続する義手、義足などとは相性が悪いため、腕がない人は義手をつけてTATを着ることはできません、

後で追加、整理するかもしれません、
* 意味の無い二人の会話 ( No.5 )
日時: 2008/10/31 22:25 メンテ
名前: はいどら

「やあ細川君」
「俺の苗字は細川ではない」
「じゃあ細川勇次君」
「細川でもないし勇次でもない」
「まあそんなことはどうでもいいんだ」
「どうでもいいのか」
「うん、割と」
「そうか」
「えぇと、なんだっけ」
「何だ」
「忘れちゃった」
「何だそれは」
「忘れるって事は大した事じゃないんだよね」
「だろうな」
「あ」
「何だ」
「思い出した」
「何だ」
「えぇとね」
「何だ」
「インドのパンは?」
「ナンだ」
「ナンだ」
「馬鹿にしているのか?」
「馬鹿にしているのだ」
「帰るぞ」
「ごめんごめんちょっとまって」
「何だ」
「インドのパン」
「帰る」
「いや、あのさ、雨が強いねって」
「そうだな」
「こんなに雨が強いとノアの箱舟って思い出さない?」
「旧約聖書か」
「さあ、知らないけど」
「知っておけ、一般教養だ」
「そうなの?」
「そうだ」
「そうなのか」
「そうなのだ、それで?」
「あ、そうそう、全部流れないかなーって」
「……どういう事だ?」
「まんま」
「人類か?」
「うーん、多分」
「全部ってどんぐらいだ」
「割と全部」
「割とってどんぐらいだ」
「ところで首領って何て読む?」
「ドン」
「ドン、ぐらいだ」
「帰る」
「待ってよ待ってよ、つまり、えー、世界ってヒマだねぇ、って」
「そうか」
「そうなのだ」
「楽しいこともあるぞ」
「例えば」
「読書」
「他には」
「ない」
「うわ、根暗」
「帰る」
「ごめんごめん」
「謝る気ないだろう」
「勿論」
「……」
「僕の尺度で言って面白いことって?」
「俺が知るか」
「考えてよ」
「……月刊の、漫画の、発、売日……?」
「うわ、何それ」
「帰る」
「もっと考えてよ」
「……」
「……」
「今」
「あぁ、なるほど、つまらなくはないねぇ」
「で」
「で?」
「ほかに用事は」
「特にないよ」
「なら帰るぞ」
「で、君は傘持ってるの?」
「……貸せ」
「僕も持ってない」
* 取りとめもない二人の会話 ( No.6 )
日時: 2008/11/01 01:00 メンテ
名前: はいどら

「で」
「で」
「帰れないな」
「帰れないねぇ」
「傘は」
「持ってないよジョニー」
「俺はジョニーではない」
「ごめんよボンゴロヴィッチ」
「……濡れて帰る」
「水も滴る良い男」
「一生言ってろ」
「えー、今君褒められたよ」
「お前から言われるとなぜか馬鹿にされたように感じる」
「ばれたか」
「おい」
「冗談だよ」
「……」
「ヒマだねぇ」


秋の中ごろの強い雨の中、
学校は静かで、
恐らくは俺達以外にはもう殆ど居るまい、
闇にしとしと、或いはざーざー、もしくはばらばら、
音が立ち込める、
ドアが開いて見回りの先生が顔を出す、

「何だ、まだ帰ってなかったのか」
「はい、俺達傘が無くて」
「あぁそうか、貸し出し用の傘も全部貸し出されたからな……ま、早く帰れよ」
「はーい」
「はい」
「……」
「行っちゃったねぇ」
「あぁ」
「君と僕は二人きり、うふふ」
「黙れ気持ち悪い帰れ失せろ土に還れ」
「うわ、酷い」
「酷くない」
「いや、酷いよ」
「酷くない」
「……じゃあ凄い」
「……」
「否定しなよ」
「呆れているだけだ」
「うわ、やっぱり酷い、合わせて凄く酷い」
「……」
「……」
「隣のクラスの」
「ん、雨で聞こえないよ」
「隣のクラスのだな、相丘だが」
「知らない」
「いや、知らなくてもいいから聞け」
「しょうがない、他ならない君の頼みだからね」
「気持ち悪い失せろ、それでだな」
「うわ酷」
「以前手首を切り、それから学校に来ていないそうだ」
「……手首切るって、自主的に?」
「あぁ、文脈から言ってそうだろうが」
「うわ、チャレンジャー」
「……」
「僕はそんな勇気ないなぁ、死にたいけど、幸せに死にたいよ」
「幸せに死ぬって何だ」
「苦しくなくって、『よし、此処で死のう』って納得して死んで、おばけにならない死に方」
「贅沢だな」
「だって目標は高い方がいいもん」
「それは目標が高いのか?」
「うん、だって、死ぬことは全てを失うことだから、悲しみも苦しみも失えるのだから人生最高のカタルシスは最高で迎えたいね」
「……」
「楽しいことが多かったらまだ失くしたくないけど、楽しいことが少なくなったり楽しいことが消えそうになって怖かったら死にたいなぁ」
「……度胸はあるか」
「ないよ」
「即答したな」
「君もないじゃん」
「……」
「無いから気持ちが分からなくて僕に話を振ったんでしょ?」
「あぁ」
「僕を利用してたのね」
「気持ち悪い」
「貴方みたいな人をいいように使う人とは離婚させていただきます」
「あぁ、喜んで」
「酷い、酷いわ佐渡ヶ原さん」
「俺は佐渡ヶ原ではない」
「手首切ったくらいじゃ死なないらしいね」
「あぁ、皆知ってる」
「え、僕この前知った」
「お前は馬鹿だからな」
「酷いや」
「……」
「死に方が分からないんだろうね」
「かもな」
「で、更に言えばまだ未練がたっぷりあると」
「だろうな」
「おばけになっちゃうねぇ、うふふ」
「俺は死後を信じていない」
「夢が無いなぁ、そんなんじゃ女の子に嫌われるよ」
「……」

それを話そうと思ったのはどうしてか、
奴の訳の分からない態度に少し心を開いていた俺は、
外の雨の音にも促されて、
あぁ、多分発端は奴の台詞で、
俺が抱えている厄介ごとを話す気になった、
* 意味の現れる二人の会話 ( No.7 )
日時: 2008/11/20 19:41 メンテ
名前: はいどら

「人をだな」
「人をですか」
「好きになる、と言うのはどういうことだ」
「……うーわ」
「何だ、『うーわ』とは」
「感嘆詞、じゃないかな」
「貴様俺を馬鹿にしているだろう」
「だって、其の仏頂面で、好きになるとか」
「俺が、では無い」
「……もっとうーわ」
「何だそれは」
「趣味悪いねぇ」
「失敬な」
「まぁ君、顔だけはいいからね、性格最悪だけど」
「酷いな」
「酷くない」
「まぁ事実だ」
「……傷ついてよ」
「嫌だ」
「寧ろ僕が傷つくよ、それは」
「勝手に傷付け、話を戻していいか?」
「どーぞどーぞ」
「人を好きになると言うのは人生でどれほど大事なのだ?」
「知らない」
「……早いな」
「だって分からないもん」
「考えろ」
「君が分からないのに僕が分かるはずないじゃないか」
「……それもそうか」
「酷いよ、それ」
「あぁ、そうだな」
「……泣いちゃうよ、僕」
「泣け」
「……」
「……」
「あんまり大事じゃないと思うよ」
「そうか」
「何、君に惚れた子がいたの?」
「あぁ」
「悪趣味だねぇ」
「悪趣味だな」
「で、どうしたの?」
「今考えている」
「付き合う気、どうせ無いでしょ」
「無論」
「血も涙も無いね」
「血も涙もあるが流すほどの涙は無い」
「鬼、悪魔、昔のモンゴル」
「昔のモンゴル人に謝れ」
「だって元寇があったじゃん」
「なら日本人だって色々やった、豊臣も然り倭寇も然り」
「え、知らない」
「……」
「……」
「兎にも角にもだな」
「うわ、流された」
「人を傷付けずに縁を切るにはどうしたらいい」
「自然消滅」
「無理だろうが」
「知ってる」
「もういい、お前に相談した俺が馬鹿だった」
「うん、馬鹿でした」
「おい」
「人選ミスも甚だしいね」
「……」

冷たい雨が降りしきる、
俺の心はいつもの通り暗澹と、
全く煩わしい、
叶うなら仙人のように暮らしたい、
しかし人は存在の時点で存在に責任を負う、
俺は其の責任を放り出せるほどに酷くはなかった、
同時に、人を傷付けることができるほどに酷くもなかった、

「……」
「ねぇ」
「何だ」
「相手からあきらめさせればいいんじゃない?」
「……まともに考えていたのか」
「うわ、僕を何だと思ってるの」
「馬鹿野郎」
「……おにー」
「だからどうした」
「うわ」
「で、相手から諦めさせるとはどうするんだ」
「変な行動を取る」
「例えば」
「朝教室に入ると同時にダンス」
「……」
「一時間目は授業中ずっとバク宙」
「……」
「二時間目に早弁、三時間目にヨガ、四時間目に早弁、昼に弁当、五時間目に早弁」
「早くは無いな」
「六時間目に早弁放課後に早弁家に帰ってから」
「早弁」
「凄いね、何で分かったの?」
「良いから黙れ、そして消えろ」
「あぅ」
「もっと真面目に考えろ」
「むぅー……」

何を持ってして人は人たりえるか、
何を持ってして人は人と結ぶか、
幼い頃から問うてみても答える人は居ない、
利益以外に人を結ぶものが見つからない、
投資と報酬と契約と、騙しあいと、
俺には何が人と人を結ぶものか分からない、

「……」
「ねぇ」
「今度は何だ」
「凄く良いアイデア思いついたよ」
「くだらない」
「くだってよ」
「面白くない」
「面白がってよ」
「つまらん」
「つまってよ」
「……阿呆か?」
「阿呆だ」
「……」
「何その全てを詰め込んだような重苦しくて長いため息、傷付くよ?」
「あぁよかった」
「……あくまー」
「で、何だ?」
「何だっけ?」
「何だ」
「インドの」
「消えろ」
「思い出した、思い出したから待って」
「何だ」
「あのね」




「僕と付き合ったらいいよ」




「……」
「そうすれば彼女がいるってことで自然と諦めざるを得ないでしょ?」
「……やはり阿呆かお前は」
「なんでさ」
「こういう事はもっと真面目に言うものだ」
「僕はね、友達がいないんだよ」
「……それで」
「僕は君しか友達がいないんだ」
「……」
「僕は君しか、友達がいないんだ」

雨は強く、
雲は厚く、
心は暗く、
闇は深く、
人は醜く、
奴は煌く、

「……なら」
「の大仏」
「……それならば」
「うわ、言い換えた」
「もっときちんと、女性らしい身なりをしてから言うんだな、彼女などと言う言葉は」
「その仏頂面で『好きとは何だ』って聞いた君に言われたくないよ」
「……むぅ」
「……」
「構わないぞ」
「……え?」
「付き合ってもいい」
「……うーわ、今世紀って言うよりも此処千年で最大のうーわ」
「言ったのはお前だろうが」
「言ったのは僕だけどさ、何て言うか、気持ち悪い」
「早くも別れるぞ」
「別にいいよ?」
「……良いのか」
「ただ、君の気持ちを一応確認できたから、満足だな」







「ほら、雨が止んだよ」
「あぁ」
「帰ろうか」
「……何だ」
「手って、繋いで帰るもんじゃないの?」
「……断る」
* 色々な設定置き場、 ( No.8 )
日時: 2008/12/01 23:46 メンテ
名前: はいどら

ほこりにまみれたドア、
それを開けると窓から差し込む光の中、埃は舞い上がり室内のガラクタが顔を覗かせる、
書かれている途中で投げ出されたキャンパス、
何かのメモ帳、
そう言った、何かの途中であったり、
或いは既に終わってしまった、けれどもどこかでまだ続いている、
そう言った、やはり何かの途中である、
そう言った物の構成物が散らばっている、

壁に張られたメモには一言、

『見やすい設定置き場を目指しましょう by:hydra』



まだなにもないらしいですよ、
* Re: 龍の夢想帳 ( No.9 )
日時: 2008/12/06 00:50 メンテ
名前: はいどら

―――京も随分と寂れた、
街中を歩きつつ彼はそう考えた。
いや、それはひとえに彼の友人が少なくなったせいか、
兎にも角にも静かにはなった。
それと言うのも之ほどの夜遅くに出歩いていては何時斬られるか分からないからである。
新撰組と名乗る集団が人を手当たり次第に切り倒しているのを、彼は心地よく思わない。
彼等には彼等の思想があるのであろう、間違っていると断ずることは出来ぬ。
しかし、と彼は思う、
斬ることでは世は変わらぬ、
彼の友人は刀を捨てた。
次に銃を捨てた。
最後に手に残ったのは書物だった。
時代を変えるには大きなうねりが必要だ、
そのうねりとはかの信長のような絶対的な武力やも知れぬが、今必要なうねりは、
「……」
やはり、この国には新しい政が必要なのではないか。
戦ではなく、人の意志の力、志の力こそが、この国を変えていくのではないか。
「何かを変えるに、刀を持ってするのではいかんのではないか」
「それは貴様等が意志の薄弱な軟弱者だからだ」
彼の独り言に、三つ、四つの影が答えた。
「会いたかったぞ、桂」
「……俺は随分と、物騒な奴等に人気だな」
中心の眉目秀麗な男、しかしその言葉遣いは荒く、放つ殺気は夜より暗い。
「……土方、そのように殺気を剥き出しでは俺のような人畜無害な民が怯えるぞ」
「よく回る口だ、しかしその舌が口内にくっ付いているのも今日までだぞ」
彼等が会話をするうちに、土方の周り、三人の男が刀を抜き、一歩距離を詰める。
皆、青の羽織を着ている。
土方が刀を抜く。
「抜け、桂、貴様の神道無念流の剣術、只の飾りではあるまい」
言いつつ、一歩、距離を詰める。
桂は二歩、後ろに下がる。
「いやいや、俺のような軟弱者の細腕では刀一つ振れぬよ」
「……貴様、俺達を馬鹿にしているのか」
もう二歩、新撰組が距離を詰める。
「いやいや、これが俺の信念でね、人を斬らずに世界を変えたいと、そう思っていて、何よりも」
桂は三歩、後退り、
「俺は人の血と言う奴がどうにも苦手なのさ」
そのまま彼は出来うる限りの速度で駆け出した。



追ってくる足音、
それは三つに減っている。
(……仲間を呼びに行ったか)
どこかよい場所に隠れたいものだが、そのためには付いて来る三人を撒かねばならない。
道端の物を倒しつつ駆けるが一向に足音は遠ざからない。
駆ける内に其処は袋小路である。
足音は近づいてくる。
(……致し方ない)
―――斬り合うか。
彼は刀を抜いた。



彼は最初から最後まで、何があったかを理解できないまま、気を失った。
彼が桂を追いかけ、先頭を走っていると曲がり角を曲がろうとした途端に刀を握る腕に激痛が走り、そのまま腹を殴られてそのまま気を失った。
それが角の陰に隠れていた桂が刀の柄で手首を殴り、左手で彼に当身を食らわせたからだということを、彼は目を覚ました後に知った。
「エェイヤァァ!」
桂が出たと見るや否や、後続の男が大きく上段に振りかぶって斬りかかる。
右肩を引いて左側へと身を開くと、振り下ろした体制からそのまま切り上げて来る。
それを上から刀を振り下ろし、弾く。
男は弾かれるままに転がって距離をとり、体制を整える。
土方がその後ろからゆったりと歩み寄る。
「桂、とうとう刀を抜いたな」
桂は答えない。
一人に対して二人でかかると言うのは、純粋に手数が倍になること、
どんなに強い剣豪でも三人でかかれば必ず討ち取れると言う。
(仕留めるつもりで打ち込まなかったのが拙かったか)
しかし悔やんでも仕方がない。
桂は剣を大きく、上段へと振りかぶる。



土方は宿敵を追い詰めたと言う事実に少なからず高揚していた。
しかし、桂が刀を上段に構えた時、そんな余裕は消し飛んだ。
すらりと背丈の高い、その男、
彼の上段の構えには不思議と静かな威圧感が漂う。
本来上段の構えは相手をすぐさま切り捨てるための攻撃の型、
流派によって若干の型の違いはあれど、基本は変わらぬ。
それは火の型とも呼ばれる、攻撃の型。
(何故だ……)
土方には不可解でならない。
(何故奴は守らぬ)
土方の目には桂は臆病者にしか移っていない。
これからの日の本を背負うに値しない、矮小な男だと見ている。
彼をそうとしか見れない土方からすれば彼の取る構えは当然己の命を守るための防御の構えとなるだろう、と、そう予測していた。
しかし逃げてばかりの彼の構えは威圧感に溢れ、
身動ぎすれば首を落とされそうなほどの殺気に溢れている。
「……クッ、かかれッ!」
土方の声と同時に彼の部下が下段から切り上げる。
それを桂は軽く上体を反らしてかわし、その後下ろされる刀を強く叩く。
部下の刀が流され、桂が追い討ちをかけようとしたところで土方が動いた。
胴を払う一撃。
それを桂は刀を立てて防ぎ、巻き落とす。
しかし土方は流されることなく切り上げる。
桂は飛びのいて避けるが、背後には彼の部下が居る。
上段に振りかぶった刀を振り下ろし、桂を今まさに討たんという時、
桂は後ろを振り向きざまにその男の手首を斬った。
それは流れるように美しい太刀筋であった。
刀を取り落とす男。
「安心しろ、斬り落としてはいない、養生すれば元のようにくっつくだろう」
その言葉に土方は戦慄を覚えた。
今の一撃で胴を払えば確実にその男は絶命していたであろう、
しかし彼は其処に手加減を加えた。
それは己の力量に自信があるからこそできる芸当。
そして土方は戦慄を覚えたからこそ、高揚した。
強い者と戦えると言う純粋な喜びに高揚した。
何も言わずに刀を振る。
上、下、上、突いて、避けられ、払い、止められる。
土方の変幻自在といわれた剣術も尽く受け止められる。
止められた体勢で暫し睨み合い、その後相手を押し、強く上段から振り下ろす。
それを桂は横に避ける。
そのまま切り上げるも、これもまた弾かれる。
―――だが、
土方は思った、
手応えはある、と、
勝てぬ相手ではない、確かに強い、が、俺よりも劇的に強いわけではない。
勝てぬ相手ではない。
そう思い、土方が距離を詰め、袈裟懸けに切りかかる、
桂はそれを避けた後、上段に切りかかる。
土方がそれを受けると桂はそれを押し退け、一言言った。
「お前をこれ以上相手できん、後は一人でやりな」
止める間もなく、
斬り合う内に桂の背は袋小路からもと来た道へと変わっていた。
桂はその道を真っ直ぐに走り行く。
土方はそれを見て、闘いに夢中になるあまり敵に退路を作ってしまった自分を呪った。



三時間後、
桂は橋の下で己の手を見つめた。
先ほど人の手を斬った手である。
「……」
まだ興奮が冷めやらぬ、
人を命を賭して斬り合うあの感覚。
「……それでは駄目だ」
一人、呟く、
「人が力で変わる時代は、最早終わるのだ……」

京の都に、夜明けが近づく。
* ミスタークリスマス ( No.10 )
日時: 2009/01/03 16:17 メンテ
名前: はいどら

雪原三太が目覚めたのはサンタ世界における十二月三十一日、つまり大晦日の夜であった。
サンタ世界での日本担当サンタが除夜の鐘を鳴らしている。
彼の同僚の男は相棒のレインディアと共に今年も元気に命がけの残業をしに行く、
「……早く起きりゃあいいじゃん」
そう呟くが、それが出来ていればその男はこんなに苦労していないのである、
しかし、と雪原は思う、
自分は今年はクリスマスに起きて時間軸が一日ずれた世界に飛んでちゃんと眠りについて、
それから夏になってサーフィンしに行くまで寝ているつもりだったのだが、
「ぬぬいっす、雪原さんおはようですね」
何故自分は上司に今起こされたのか、
いや、答えは一つしかないのだが、
「残業のお願いでね」
後で給料増やすように交渉しようと決めた雪原であった。

上司の話に寄ればこうだ、
最近見えた世界で不安定な世界がある、
その世界は様々な欠片が集まって出来た世界で今後も発展し、新しい一つの世界となるだろう、
その世界に行ってこい、
そんな所である、
そして雪原が出た所はまずは農村である、
プレゼントを家々の窓辺に置いていく、

「あんらぁ、アオイちゃんなんだべそれ?」

住民の間延びした平和そうな声が聞こえた、



次に雪原が出た所は夜も騒がしい町であった、
ある程度の整備はされているが、どうにも町行く住民に統一性がない、
雪原は余ったプレゼントを不機嫌そうな顔の青年の頭上に落とした。

「痛っ……このウィム様に物投げるとは誰だかしらねぇがいい度胸してるじゃねぇか……」

そのプレゼントはプレゼントと認識されないままに握りつぶされた、



最後に雪原がついたのはやや中世的な町である、
いままでなんとも注意力散漫な人が多かったから、今度の町も大丈夫であろう、
そう気を抜いたのがいけなかった。

「……お前、誰だ」

白衣を着て、黒髪を二つ括りにした少女が窓越しに雪原に問いかけた。



「……つまりお前、サンタか?」
「いえすっ、おふこーすっ」
自慢の輝く必殺スマイル(しかしこのスマイルで上手くいったことは一度としてない)を顔に浮かべる雪原、
「……おーい、おっさ」
「ストーゥッップ!!」
少女の口を手で塞ぎ、止める雪原、
「俺はほら、これでも一応立派なサンタ正式な名前は雪原三太二十四歳彼女いない暦二十四年の中々いけてるナイスガイだから」
「お前寂しい人間だな」
「ひでぇよそれ、それひでぇよ、仲間内でも仕事はまともにするし顔もそこそこなのに何故彼女が出来ないか疑問なんだぜ?」
「性格だな」
「ひでぇよそれ、それひでぇよ」
「そもそも、それ以前、私はお前がサンタと信じていない」
少女の当たり前な返し方に頭を悩ませる雪原、
それもそうだ、こんな若い(と胸を張って言えるのもそろそろ終わりが近づいているが)あんちゃんが真っ赤な服を着て人の家に窓から侵入しようとする、
或いは窓辺に不審物を置いて去っていく、
たまに発光して消え去る、
不審者以外の何者でもない、
「……それじゃああれだ、俺は仕事さえできりゃあ良いから、とりあえずプレゼントだけ受け取って見逃してくれないかな?」
「賄賂か」
「違うっての」
兎にも角にも少女の手にやや大きな箱を押し付ける雪原、
「……?」
「お嬢ちゃんが実は一番欲しがってるものさ」
そう言って雪原は窓から脱走し、夜の町へと駆けていく。
少女はプレゼントの箱を開ける。
「……」





「おぅササーラ、どうした、そんな服着て」
「……買った」
「へぇ……」
「……」
「似合うじゃねぇか、可愛いぞ」
「うるさいおっさん」








小ネタ的に無断でキャラを使わせてもらいました、
不都合ありましたらご連絡を、
* Re: 龍の夢想帳 ( No.11 )
日時: 2009/05/03 18:32 メンテ
名前: はいどら

俺は二三歩歩いてから振り返りこの上ない笑顔でそいつに恵みの言葉を吐きかける、

「首吊りか交通事故か選ばせてやる、どっちがいい」

根本的に死にたくねぇーっ。
そんな奴の叫びは右から左。
死に方を選ばせるだけありがたいと思え。


奴と知り合ったのは大体八年前、
俺が小学三年生の時に引っ越して隣の家がこいつの家だったころからの付き合いだ。
日常的に無意識に手当たり次第に無邪気に問題を起こすこいつの尻拭い担当になり給料無しのストライキも認められていない強制労働八年目。
目の前に十五人の女性、
俺の後ろに隠れる糞餓鬼、一度死ね、というか一度といわずに大奮発して六回死ね、六道全部見学して来い。
「私たちの誰を選ぶのよ!」
こいつは誰も選らばねぇよ、元々恋心とかなく純粋に「可愛い」だの「綺麗」だの思ったことを口にしただけだろうし。
そもそもこんな公園のど真ん中で全員雁首そろえて大声出すような非常識女はどんな男でも願い下げだ糞どもが。
そして更に言うが、

「私たちの知らないうちにもう一人女の子ひっかけて!」

俺をお前らの仲間に含めるな、俺はお前らよりもある意味被害者だ。


そんなに「私たち」という仲間意識があるなら十五人まとめて地獄に落ちて獄卒相手に求愛でもしてろゴミ畜生どもと言いたい気持ちを抑え、代わりにうるせえよ畜生俺を仲間に含めんなよ貴様らゴミの仲間なんて願い下げだいいからさっさと本当にこのゴミと付き合いたいならこのゴミ連れてラブホでもどこへでも行きやがれこの責任レス野郎に引っ掛かった貴様らが悪いそもそもてめぇらはこいつの目をはっきりと見たことがあるかこいつの目が本当のこというやつに見えるか見えるなら眼球取り出して洗浄してついでに握りつぶして洗浄した意味もなく新しい目に変えてもらってついでに視神経から脳髄まですべて入れ替えろむしろ生まれ変われ二度死ねど阿呆どもめ、とあえて数倍に膨らました悪口雑言をまきちらす。
俺がその言葉すべてを言い終えると辺りはしんとなり、その静まった空気に俺の「本気で俺の後ろの金髪生ゴミを下水道に詰めて流したい」オーラが充満していく。

「帰れ、出来ればこの生ゴミ連れて」

一言そう言い放つ、
ちなみに俺がしゃべっている間後ろで金髪生ゴミは
酷いだのゴミって言うなだのもっとフォローしろよだの終いには泣くぞだの泣きながら言っていた。
残念なことに、むしろ幸福なことに、俺にはこいつのフォローをする義理はない、義理がなくともさせられているのが現実だが。





哀川雄太は自分の名字がとある渋い俳優と同じであることを少し自慢していた。
彼の腐れ縁の友人からはその俳優に謝れだのお前の家族全員がそうだろだの至極真っ当な突っ込みを受けたが、無論彼はそんなことを気にはしない。
彼は幼いころから感情を素直に言葉に表した、
そして更に表す必要のない感情までも言葉にするし人の話は鵜呑みにするし必要のないノリだけはいいし変に人に絡んでいくし、
要するに問題を非常に呼び込みやすく、また、作りやすい性質であった。
それなのに根本は善良で(生来臆病であるからその善良さが生かされたことは決してなかったが)それが尚更周囲の人の神経を逆撫でた。
そして顔だけはいい彼は付き合っているという意識もなく無数の女の子をひっかけにひっかけ、
途中「こいつぁだめだ」と大半の女の子が相手にしなくなったものの、残った「こいつぁだめだ」と思うほどの脳みそすらない十五人の女の子、
それらと彼の御守を給料無しでしかし善意零のむしろボランティアというより強制労働でさせられている腐れ縁の友人が彼の目の前で向き合っていた。
その友人を呼んだのは彼で、無論彼には自分でどうにかする心持ちなどあるはずもない。


数分後に彼は解放され、数十分後にまた彼は解放された、
一度目は彼の腐れ縁の友人の凄まじい態度におびえた女性たち。
二度目は彼の腐れ縁の友人の暴力の嵐からである。





嗚呼全く、
何故これほどまでに人を殴ってもすっきりしないのだろう、
理由は簡単だ、殴っている相手がこいつだからだ。
こいつを殴れば殴るほどこいつは泣き喚きそして俺のストレスは際限なくたまっていく。
嫌な永久機関だ。

「雄太、事故死か殺人か、どっちがいい」
「意図的な事故死って殺人ーっ!」

知ったことではない、
俺はその生ごみの襟首を掴んで立たせる、

「え、何、咲ちゃん本気ですか」

その『ちゃん』付けに密かに本気で吐き気を催した俺はさりげなく雄太の首に右手を添える。
そしてそのままゆっくりと右手を握りしめる。
言い方を変えればゆっくりと首を絞めた。

「ちょ、マジギブなんですが、咲ちゃん」

更に首を締め上げる力を強める。
暫く首を絞めていると、今日会った十五人の頭空っぽな女どもの顔が浮かんできて、
更にこいつが過去に迷惑をかけて、その度に何故か俺に文句を言いにきたやつらの顔が浮かんで、
ふと面白くなり、俺はニヤリと笑った。

「ちょ、咲ちゃんどSなの!? 何でそんな楽しそうに首締め上げるの!?」

楽しくあるわけがあるか。
貴様のせいで俺は苦労ばかりだ。
もう貴様の世話など金輪際焼きたくない。
寧ろ貴様自身を焼いてしまいたい。
今度こそ縁を切ろう。

彼女はそう決意し、彼の首をよりいっそう締め上げた。
* Re: 龍の夢想帳 ( No.12 )
日時: 2009/04/07 16:47 メンテ
名前: はいどら

医者であるアルケミは怒っていた。
それはもう、どのくらい怒っていたかというとその怒りの対象に向かってボウルいっぱいの生卵をぶちまけた後眼球にレモンの汁を入れて生のトウガラシを口いっぱいに詰め込んでやりたいほどに、
そして、

「アァァルコットォォォッッ!!」

彼女はそれを実行した。



「ハハハ、流石はこの俺アルコット・ヴァルぶしっ!」
向かい合う相手、アルコットの言葉も待たず、道行く人の目も気にせず、アルケミはアルコットの顔面に飛び膝蹴りを喰らわせる。
そして迷わずに予め用意していた生卵をぶちまけ持ってきた麻袋から輪切りのレモンを取り出し眼球に押し付け唐辛子を口に詰め込んだ。
迅速な処置であった。
あまりにも迷いのない暴力であった。


書き掛けです、
* 人の幸せと自由 ( No.13 )
日時: 2009/04/27 01:34 メンテ
名前: はいどら

楠綾瀬青年はその日、先輩の行きつけであるBar Melissaに案内されていた。
彼の先輩の瀬川倖は彼に酒とこの店を教える目的で連れてきたのである。
彼は酒を飲むのが初めてであるということもあったため、ちびりちびりとリキュールのカクテルを飲んでいたのだが、

「僕はだね綾瀬君、こう、思うわけひゃよ」
「はぁ」

肝心の先輩が一口目で顔が赤くなり二口目で笑顔になり二杯ほど飲む頃にはろれつが回らなくなるほどに酔ってしまっていた。
綾瀬青年はこれで三杯目ほど、そろそろ気分が良くなってきた頃であったが、それ以上に彼は倖先輩の相手に励んでいた、

「ひひょ、ひ、人とゆーのはらね、こう、あい、愛がだいじりゃと、おもうんあよ、僕は」
「はぁ」
「あのね、僕はさびしいんだよあやえくん」

倖は男性にしてはやや長い己の髪をかきあげる、
彼はれっきとして男ではあったが、その髪をかきあげた顔はどうにも女性にしか見えない、
彼自身それを気にしてはいるのだが、自身の趣味の範囲内でできる限り短くした髪は彼の場合女性のショートカットにしか見えなかった、

「僕はね、さびしいんだ、あの、僕のね、その、好きな人がらね」
「はぁ」
「なんで、なにゆえに僕と別のがっこぅに行ってしまったのか」

倖の好きな人とは時折彼らの属する天文観察研究会にも顔を出す、鮎川裕子という女性のことである。
さばさばとした性格で人によく好かれる彼女は倖と小学校からの付き合いで、倖が高校三年生の時にようやっと付き合い始めたらしい。
裕子は演劇を志しており倖と同じ市に住んではいたが彼女は演劇の専門学校へと進んでしまった。
普段倖はその話題を出さないが、彼が暇さえあれば彼の携帯にある裕子の画像を見てため息をつき机に突っ伏しいかにも憂鬱そうな様子にするので彼が寂しいのはもはや周知の事実なのである。

「愛とはね、ひととの、繋がりじゃあないか、愛とはし、四六時中会って、互いの顔を確認してだね、それで確認してだね」
「はぁ」

そこで綾瀬は『はぁ』以外の言葉を発する、

「だったら裕子さんに寂しいと言えばいいでしょう、あるいは自分から会いに行くとか」
「えぅ」

倖は奇妙な呻き声を発して俯いた。

「だって……恥ずかしいじゃあないか」
「はぁ」

今度は相槌ではなく溜息、
それに倖が猛抗議する。

「だ、だ、だ、だって君、きき、君はどうなんだ!
 ぼ、ぼぼ、僕はだね、彼女のことが本当に、その、あ、す、好きで、思うだけで涙が零れそうになってだね!
 それで、僕は、か、彼女の眼の前だと顔が真っ赤になってらね、うまくひゃべれらくらって、それで、僕は、僕は!」
「先輩、今の時点でうまく喋れてないです」

綾瀬が言いながら差し出した水を倖は一気に飲み干して、一息つく。

「だって……本当に、会いたいのだから」
「じゃあ会えばいいじゃないですか」
「……僕は、彼女を束縛したくなくて」
「はぁ」

二度目のため息、倖はそれに猛抗議することはなかった、
その代わりに自棄酒と言わんばかりに更に酒を注文する。

「先輩、そろそろ死にますよ、それ」
「らいじょーぶ、僕はしなないの、だってゆーこがいるから」

全く、と綾瀬は思う、
綾瀬は大学の一年で倖は大学の三年、
彼等は高校の時からの付き合いで、倖と裕子がくっついたのは半分以上綾瀬のおかげといってもよかった、
恐らく綾瀬が焚きつけなければ倖と裕子は今も微妙な距離感のまま、徐々に離れていったのではないか、
普段は妙に理知的にも見える喋り方をする倖はその内面に強い情熱を抱えていながら、恥ずかしがりな性格のせいでそれを表現できなかった。

(今僕に向けている言葉をそのまんま彼女に聞かせてあげれば喜ぶだろうに)

倖が愚痴をこぼすたびに、綾瀬はそう思う。
むしろ胃がむかむかするほどの溺愛ぶりを見せられてたまに殴り殺したくなることがあるほどだ。

(……まぁ、恐らくはこれもこの人の魅力なのだろう)

どこか理知的に見えつつもひどく人間味あふれるその人柄に綾瀬自身も引かれたのだから。
綾瀬が入学早々、教師と問題を起こした際にその教師を上手く言い負かしたのが彼で、それ以来付き合いだった。
この程度の惚気を見せつけられるくらいは大目に見ようと綾瀬は思う。
綾瀬の目の前で幸せのただ中に居るからこそ感じられる不幸を嘆くその男はそんなことも知らず四杯目に手を出す、
彼の頭は前後に揺れている、まさに前後不覚というものだろうか。




五分後に、そのバーには幾人かの学生が入ってきた、
漏れてくる話を聞いてみると、その学生たちは学生運動を行っている連中らしいことが綾瀬にはわかった。
ここは、関わり合いにならないが吉か、
倖も酷く酔っているようだし、ここはもう家に帰ったほうがよさそうだ、
そう思い綾瀬が倖を連れて席を立とうとした時、
倖は彼らの言葉の中の自由という単語になぜか過敏に反応した。

「……君たちだねぇ」

倖の目は据わっている、
これはまずいと思った綾瀬は倖を急いで店の外に連れ出そうとするが、倖はそれに逆らった。

「自由自由って、君たちは本当に自由なのかい?」

突然問われた青年たちはやや戸惑う、

「僕は切に思うんだが」

そう言ってから一つ大きな呼吸をする、これは倖が演説めいたことをするときの癖だ。
綾瀬は倖を引っ張るが残念ながら非力な彼の腕では連れ出すことは不可能であった。

「君たちが行っている演説活動の一端を僕が聞く限りでは君たちの行動には合理性というものがない、
 真に政治的活動を行うつもりであればより合理的により誠実に行うべきなのになんだ君たちのあの叫び方は、
 僕が入学したときだって君らのうちの一人が入学式を邪魔して叫んでわめいてそれを君たちは英雄扱いした、
 それに何の意味があるか、君たちは小学校で人の話は聞くように習わなかったのかそれともその矮小な脳味噌ではその程度のことすら覚えられないのか、
 そもそも僕は思うのだがなぜ君たちはその程度の小さな悪事をして自由だとわめく嗚呼何も言いたもうなそれは悪事なんだただ規則を破ることしか考えずほかの人の時間と空間を奪ってまでくだらない思想を、
 いや、君たちはまず思想を人に伝えていない大学が自由を阻害しているというが君たちに対して規制をするのは君たちが非常識かつ非社会的かつ暴力的行動に訴え出るからであって、
 君たちがまっとうに政治について考えているならば大学も研究の邪魔はするまいに君たちがわめきたてるから事は大きくなり君は関係のない人まで巻き込んで、
 そもそもなんだ大学での政治的活動が禁止されたからと言ってなぜその程度のことだけを争点にしてただ自由だけの争点にして自分たちの政治的理念を人に話さない、
 君たちの行動の第一のものと根本は違うところにあるはずで無理して大学でやらなくても町中に出てやればいい活動なのになぜわざわざ規則を破りたがるか人に迷惑をかけたがるか、
 僕大学の対応は非常に君たちのような子供に対しては非効率的だと思うがそれ以前に君たちが規則を破ることを英雄扱いしているところに僕は嫌悪を感じていてね、
 政治的活動をするならもっとまっとうに真摯に民衆の心をとらえるべきであるのに君たちはただ目立ちたがって嘘の自由を張り付けて、
 君たちが本気で政治活動をするならそれが帝国主義だとしても君たちの信念であるな僕は文句を言いはしないのに君たちはなんだなぜ最近大学にたてつくだけ一切の政治的活動をしないんだ、
 さらに言えば僕は君たちのスタンスも嫌いでねなぜ写真に写る時に中指を立てるのだこれは写真を見る者皆を侮蔑し果てには民衆を侮蔑している民衆を侮蔑するものがはたして国を導けるかね、
 君達があくまで政治的団体を名乗るのであればもっと民衆に対して敬意を払いたまえ、もし君達がただ大学に対して自由を求めるだけの団体であるにしても民衆の力は必須である、
 大学は大学生だけの力で変えるものではない学問というのは一般民衆に広く浸透し効率的に善良に使われるべきものであってならば一般民衆の力も必要なのになぜ君たちは街に出ないか、
 あぁ何よりも君達を気に食わないのはその根性のなさだ停学などを勲章のようにする割には雨の日は活動をやめるじゃないか授業中は活動をやめるじゃないか、
 君たちはクズの集団だクズの集団ならもっと一端に根性を持ったらどうだ根性も信念も覚悟も無いくせに自由を叫んでそのくせ自由の意味もわからないで、
 自由とは自立だと知りたまえ自立とは自律だと知りたまえ自律とは自ら律することで法のない世ではない僕から言わせてもらえば君たちは自由に生きていない、
 ただ制度に反抗するだけでは制度の逆にとらわれるだけに過ぎないそれは制度にただ囚われることと同じくらい愚かだ制度に対しては批判的視線を持ちつつ守り中から変えるのが一番よろしいのに、
 そもそも君達の眼には僕がそんな不自由に見えるか僕たちがそんなに不自由に見えるか少なくとも僕たちは自由に生きてきたし制度にも挑戦してきたし僕らは常に自由だった、
 そんなに自由を信仰したければもっと自由の本質を見据えたまえもっと合理的に意味があることをしたまえ首尾一貫したまえ僕は自由に生きてきた僕はすなわち自由である君達がそんなにも自由を信仰したいのであれば僕を信仰したまえ!」

綾瀬は倖の話など一割も聞いてはいなかった、
この長い話を異様に早口に言い終えて満足した彼は息が切れたのか、逆らう力が弱まった。

「すいませんでしたこの人脳みそ入ってないんです大目に見てやってください」

それだけをいってのけて綾瀬は倖を店の外へと引っ張り出す、
外はしとしとと雨が降っていたが構わず外へと飛び出した。

彼は倖のこういった潔癖なところも嫌いではない、
政治はクリーンに、問題は話し合いで妥協点を探して、互いに譲り合い、みんな規則を守って、
これが倖の思想である、これは、綾瀬は嫌いではない、奇麗事とは思うが嫌いではない。
しかし嫌いではないのと困らないのは別物である。
* 忘らるる都の一週間 ( No.14 )
日時: 2009/05/03 19:03 メンテ
名前: はいどら

死者は忘らるる都で時を刻む。
無為の時を刻み霧消の時を刻む。
死んでも覚えていたいものとは、何だったろう。

それがあったことさえ忘れていた。



彼、真島勇人は、気付けば巨大な白い門の前にいた。
足元は綿の上に立つようで、
後ろの男から声をかけられるまで現実だと気付かなかったほどに、それは夢想的だった。
いや、或いは、それは以前の彼にとっては夢想だったのか。

「此度は、ご愁傷様でした」

その男は彼に頭を下げる。

「真島勇人様、貴方は死亡なされました」

勇人はその言葉にどこか言葉に出来ないところで釈然としないものを感じつつ、納得していた。


呆気の無い事故死であった。
日々、バイトでその日暮らしで生きていた彼は軽トラックが迫ってきた時、何か『やはりな』と言った感情を覚えた。


「貴方にはこれから死者の都で一週間を過ごしていただきます」
「死者の都に無いものはありません、人として最大に満ち足りた一週間の中で、貴方は生の記憶を失っていきます」
「そして一週間後、無事に自分の存在以外の全てを忘れた場合は、地上へと帰り、新しく幸福な生を送ることが出来ます」
「もし万が一に、貴方の生の記憶の中に、この死者の都での生活を捨ててまで、幸福な来世を捨ててまで持っていたいものがあるなら」

―――貴方は、死者の都を出て行き、永遠に、苦しい亡者の里で暮らすことも出来ます。

勇人はその言葉にただ頷いた。
* Re: 龍の夢想帳 ( No.15 )
日時: 2009/05/11 01:16 メンテ
名前: はいどら

私が愛する貴方が、私を殺しにやってくる、
初めてあなたに出会った時に私はささやかに大きな嘘をついた、
自分の身分を偽るなんて、流れ者にはささやかな嘘で、そもそも本当の自分なんて存在しなくて、
でもその嘘はその瞬間の私にとって大きな嘘で、

ただただ、この身に不相応な幸せを一時感じられたことに、いもしない神に感謝しています。



初めて貴方に会ったとき、
私の服が赤かったのは染料の色ではありませんでした、
染料の青を落とすほどの綺麗な紅でした。
暗い夜道ではその紅の正体はわからなくて、
辺りから漂う晩御飯の美味しそうな匂いが、私の体に染みついた生臭い匂いをかき消していました。
私は血に染まった両手を後ろで組んで、もじもじしてみせて、聞いたのです、
貴方の名前を聞いたのです、
貴方の顔を見ずに、もう一人殺めるつもりで貴方の名前を聞いたのです、
貴方と二人きりになるための会話のきっかけとして、そして二人きりになった後に貴方を殺めるために貴方の名前を聞いたのです、

鈴の転がるような名前でした。

貴方の声がきれいだったのか貴方の名前がきれいだったのか両方だったのか、
貴方の声は男にしては高くて、サラサラしていて、絹のような声で、
その声と名前に私はふと顔をあげて、
そこに貴方がいました。

今まで見たどんな血液よりも綺麗な色をした唇を持っていて、
今まで見たどんな満月よりも綺麗な色をした肌を持っていて、
今まで見たどんな、
どんなものよりも綺麗だった。

女性よりも綺麗な男性のあなたは、けれどその身は引き締まっていて、
きっと斬れば綺麗な鮮血がほとばしる、
それで貴方は私に聞くのです、
私の名前を聞くのです、
忌み嫌われ恐れられる私の名前を聞くのです、
私は、
その時に嘘をつきました、

ただの、隣町の町娘ですよ、
でもあちらにはもう飽きてしまったから、よく遊びに来るんです、
こちらにはおいしいご飯も可愛いお洋服もありますから、

だって、本当の事を言ったら二度と近寄れませんから、



書き掛けです、最近書く力が衰えたため今まで以上に書きたいときに書きたいものを書くようにしてる故、書きかけが多いです、
* サークルでの提出物の原版、『善い人』 ( No.16 )
日時: 2009/05/18 01:49 メンテ
名前: はいどら

叔母の頭上に、醜悪な顔をした黒い猫のような、犬のような、
そんなケダモノが見えた。





「それ」が見えるようになったのは俺が母の葬式に出た時のことだ。
俺は母と二人暮らしで、父は俺が生まれた頃に事故で死んでしまった。
母はいつも世の中の全てに怯えているような眼をしていて、その時はまだ幼かった俺以外に心を開いていないようだった。
いつからその様になったのかは分からない、周りの話を総合すると父の葬式の後からそうなったようだった。
兎にも角にも、俺は母の葬式の準備中に、視界の端に奇妙なものをとらえた。
それは黒い猫のようであった。
まだ背丈が大人の腰ほどであった俺は遊びか何かのつもりでその動く物を追いかけた。
そして追いかけた先で俺はその黒い物が、俺を引き取ると言い出した叔母の頭上に飛び上がるのを見た。
幼い俺はそれを見て、ふと思ってしまった。
この生き物の顔は叔母によく似ている。
それは叔母が、その生き物のような醜悪な顔をしていたと言う訳ではない。
叔母はいつも笑みを浮かべていて、俺の母が亡くなったと聞くと泣きながら、すぐ引き取ると言ってくれたやさしい人、のはずだ。
でも何故かその黒い猫のような犬のような獣は叔母によく似た顔をしていると思った。

「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」

俺はその時、何故だか人生で最初の嘘をついた。



それからだ、その黒い獣がほとんどの人の頭上に見えるようになったのは、
俺が見る限り、その黒い物が頭の上に乗っていてもそのことに気付いている人はいなかった。
どうやらその黒い物は俺にしか見えないらしい。
黒い物は時折、宿主の頭上から降りてそこらを歩き回り、また宿主の頭上に戻る。
人によってそれの形は様々だったが、全て動物らしき形をしていることだけが共通点だった。
そしてその黒い物がなんであるかを小学生の3,4年生のころに俺は了解してしまった。
それは人の心の、醜悪な部分であるらしかった。
幼い赤子にはその物達は付いておらず、小学生頃にふと現れ、成長するにつれてその物は大きくなって行く。
人をだましたり、虐めたりする者ほどその黒い物は大きかった。
それらの事に気づいてから俺は嘘しかつかなくなった。
高校を出てからすぐに手に職をつけ、叔母の元を離れた。
最早人の存在を感じることが苦痛だった。



自動販売機が二枚硬貨を飲み込み、水の詰まった容器を吐き出す。
その容器の口を開けながら俺は夜道を歩く人々を眺めた。
夜道とはいっても街中では街灯のせいで暗闇たちは追い払われ、隅に寄っている。
そのお陰で人々に憑いている黒い物がよく見えた。
目の前を手をつないだカップルが通って行く、
男は楽しそうにしているが、女の方はこの男と離れたいと思っているのがよくわかる、
何故なら彼女に憑いた黒い犬のようなものが男性を威嚇するようなしぐさを繰り返しているからだ。
人のどこまでも醜悪な部分が目につく、
テレビに出ていた、人命救助で表彰された高校生はむしろどす黒かった。
政治家は黒い物にまとわりつかれてあまり顔がよく見えない。
人の裏の見えることはなんと恐ろしいことか。
幸せそうにしているやつも純粋そうに見えるやつも、
皆あの黒い物を従えているのだ。
不幸そうなやつや腹黒そうな奴らと変わらずに、
皆あの黒い物を従えているのだ。
そのどす黒さが不快でならない、
社会の評価を得るために奇麗事を言って、
腹の底ではほかの人など消えればいいと思っているそのどす黒さが我慢できないほどに不快だった。
幼いころに他人のどす黒さが見えるようになってから、ずっとそれは変わらず、
結果俺は人と交わることを嫌悪した。
この人の世の何もかもが我慢がならなかった。

水を飲みながら俺は家路につく。
街中の明かりを背中に、暗い夜道を歩く。
歩いていると、遠く、前方に女性が一人だけで立っていることに気づいた。
少し違和感を感じつつ、それでもただの通りすがりなど俺には関係が無いから無視をしようとした。
隣を通り過ぎる時にそれに俺は気づいた。
慌てて振り向くと、やはり女性は一人だけで呆けたように立っている。
その女性は『一人だけ』で立っている。

その女性にだけは黒い物が憑いていなかった。



その日はやけに機嫌よく晩飯を平らげた。
それもそうだ、
いる筈もないと思っていた奇麗な心の持ち主をこの目で見ることができた。
流石に一般人である俺はその場で話しかけることなど出来はしなかったが。
この腐りきった、汚れきった、いっそ消えた方が良いこの世の中にもある程度、生きる価値のある人がいる、
その事実が俺を元気づけた。
晩飯の片づけをしている最中にふと俺は思い付いた。
黒いケダモノが憑いていない連中は恐らく他にもいるだろう、
その連中を集めて小さな街を作れば、恐らくその街は世界中のどこよりも平和になる。
他の生きる価値もない人間共が混じった街よりもずっと素晴らしいだろう、
俺が人の穢れを見ることができるようになったのはそのためかもしれない。
そんな馬鹿馬鹿しい事を考えて、ふと笑顔が漏れる。
数年ぶりに頬が歪んだ。



それから数日、俺は仕事の帰りにいつも同じ場所でその女性を見つけた。
いつ俺が見てもその女性は虚ろな目をして、いつも同じ方をずっと見つめているのだ。
五日ほど続けてその女性を見たある日、俺はとうとう気になって声をかけた。

「何をしてるんですか?」

その俺の声に女はゆっくり振り向いて答える。

「空を見ていたんです、あまりにも奇麗で」

その言葉に俺は少し頬を歪める。
満足だ、
そう思った。
穢れていない人と会話をするだけでこんなにも愉快なものなのか、
会話の内容が愉快なのでなく、ただその人と会話をしているという事実があまりにも愉快だった。

「あなたは」

女性が口を開いた。

「天国はあると思いますか?」

これには笑った、
穢れていないだけでない、
純粋で、無垢である。
俺は口を開いた。

「あぁ、あるんじゃないかな?」

俺の返答に女性は頷いて、もう一度虚ろな目で空を見上げた。

その次の日、女性はもうそこにはいなかった。



俺と彼女が会話をした二日後、
彼女をもう一度見た、
ニュースの中で。
思わず喉の奥から殴られたような呻き声が漏れる。
ニュースによれば、それが真実であるとするならば、
彼女は一人の男性を殺し、自分も死のうとしていた所に、騒ぎを聞きつけた隣の住人が駆け付け、押さえ込んで通報したということだ。
先日の天国に関する会話が思い起こされたが、しかし、あり得ないと言うのが俺の実感だ。
何故なら彼女は穢れていない、
人を殺すのは穢れている者の行動のはずだ、
俺は不可解な気持ちのまま仕事に向かった。


職場でこんな話を聞いた。

「今朝のニュースの続きが昼にやってたんだけれどさ、あの女の子ちょっと社会的に不適合だったんだと」
「何だいそれは、詳しく聞かせろよ」
「彼女は小さいころからとても純粋な子で、人の言うことはよく聞いたが自分で善悪の判断をする事が出来なかったらしい」
「ほう」
「それでだな、今回は男が依然、生きてるのが辛いというような事をその子の前で口にしたらしい」
「それでか?」
「ああ、最初は苦しまないように寝てるうちに頭を刺し貫く予定だったんだが男が起きてたんで騒ぎになってしまったんだそうだ」
「で、どうして自殺しようとしたわけさ」
「その男を一人で天国に行かせるのは忍びないから、だとよ、それに死ねば一般的な刑罰よりも重い刑罰を受けたことになるからな」
「純粋すぎるってのも怖いものだな」

穢れた彼らは純粋な彼女を、そう評した。



純粋である事は罪か、
罪の意識無い罪は罪か、
仕事を終えた俺の足取りは重く、
思考は地を這う。
穢れは世界を覆っている。
純粋さは世界から迫害される。
世界に適応できず、人を傷つける純粋さは世界に迫害される。

善良な犯罪者と悪辣な一般人と、どちらがより性質が悪いのだろうか、
俺にはよく分からなくなってきていた。



視界の端にちらと見えた鏡、
それで俺は理解をした。
俺こそが何よりも穢れていた事に、
鏡に映る、俺を包み込むようにうずくまる、黒い、巨大な赤子。
穢れを一切受け入れられない狭量な俺のように、うずくまる赤子、
吐き気がする、耐えられない。
生きていたくない。



―――――



わたしはお母さんにゆさぶられて目がさめた。
お母さんの遠い親せきのおそうしきの最中に、ねむくなって、いねむりをしてしまったんだった。
それにしてもねぇ、と、お母さんがつぶやいた、
おばさんの元を飛び出してすぐにじさつしちゃうなんて、何かなやみでもあったのかしらねぇ、まわりの人をしんじて相談すればよかったのに、
わたしは自分で死ぬということがよく分からなかったけれど、なんだかこわくて、
でもそのこわいのを自分からえらんだ知らないその遠い親せきのおじちゃんはきっととってもひっしだったんだと思った。
おそうしきは終わったけれど、お母さんはまだ用事があるからしばらくあそんでいなさいと言われた。
それでそこらへんを歩いていると、小さなねこを見つけた。
その黒いねこを追いかけてわたしが走ると、その黒いねこはお母さんの頭の上に飛び乗った。
* Re: 龍の夢想帳 ( No.17 )
日時: 2009/10/06 13:44 メンテ
名前: はいどら

嗚呼御免なさい御免なさい御免なさい。
さぁ砕いてやれ砕いてやれ砕いてやれ。

漆黒の体に紅の瞳が光り、
漆黒の夜空に紅の月が煌めき、
嗚呼世界は何と暗闇にあふれている事か、

はは、は、ははは、

はは、はは、ははは、

ははははは、ははははは―――






―――まぁそんな事とはおよそ関係あるはずもなく、
今日も今日とて俺は鉄パイプ一本でサブマシンガン持ったマフィア十数人を一人で殲滅する阿呆みたいな仕事仲間と手に持つワイパーで人の人生をふき取ってしまうこの世のものとは思えない怪物少女の二人を家に住まわせつつ何故か肩身の狭い思いをしながらシーフードのビッグカップ麺に舌鼓を打つのであった、まる。

「そんなもの食べてると体に毒ですよー?」

可愛らしく声をかけてくる怪物少女、
しかし主食が人間の記憶であるコイツに言われたくはねぇのである。



書き掛けです、
* Re: 龍の夢想帳 ( No.18 )
日時: 2009/10/22 02:56 メンテ
名前: はいどら

酩酊に酩酊を重ねた気分で、
酒を飲み、あるいは呑み、呑まれて、
嗚呼今日は嫌な夢を見た、
その夢には何があったろう、
まず一つに私の劣等感、
その夢で私は皆に罵倒され続けた、
二つ目に私の心の弱さ、
その夢で私は逃げるしかできなかった、
三つ目に私の心の頑固さ、
私は未だに強がり、人に頼ろうとしない、
そして最後に私の心の醜悪な事醜悪な事、
嗚呼それは悲劇を通り越して、
最早それは喜劇と言うしか無いじゃあないか、
そうして起きた私は何を見たろうなぁ、
見えたのは白い壁のでこぼこだけだったろうか、
私の瞳の奥が見えたのだろうか、
ああ私の瞳の奥も、
この壁のようにでこぼこしているのだろうなあ、
でこぼこでこぼこ、
そうして私の心も、
この醜悪さと弱さで、でこぼこしているのだろうなあ、
そして私は酒に逃げ、
酩酊に酩酊を重ねた気分で眠りに落ちる、
嗚呼また眠りに落ちる、
今度の夢には何が出るだろう、
人を憎みたくない私の心の奥にひそむ、
他者を激しく疎ましく思う心が出るのだろうか、
あるいは他者の才能を妬ましく思う、
際限無く浅ましいこの心が出るのだろうか、
どれが出るにしてもでこぼこ、
私の心のどこを叩いてみても、
でるのは埃か煤か、
どのような夢を見てもろくな物じゃあ無いだろう、
それならばいっそ、
永遠に起きていられたらなぁ、
永遠に眠っていられたらなぁ、
全てを忘れていられたらなぁ、
私は青く澄んだ川のほとりで青い草原で、
ずっと横になっていたい、
あるいは今の私など、
赤く濁った川のほとりにいて、
灰色の石を積み上げているようだ、
嗚呼私は眠りに落ちる、
落ちていく中に、その墜ちていく中に、
一握の真実よりは、
夢幻に広がる夢物語、あるいは、
その果ての無い現実に、
願わくば安らかな眠りのあらん事を、

そうして私は酩酊に酩酊を重ねて、
現実に夢を重ねる、







散文詩? のような物、
どうにも文章が上手く書けないのでリハビリに、
* Re: 龍の夢想帳 ( No.19 )
日時: 2010/01/25 18:44 メンテ
名前: はいどら

「哲学をしよう」
彼は言った
「哲学とはなんだ」
私は問うた
「それが哲学だ」
彼は答えた
「それは哲学ではない」
私は反論した
「何故そう思う」
彼は問うた
「哲学はフィロソフィー、知を愛することだ」
私は理由を述べ始めた
「成程」
彼が相槌を打った
「すぐに結論を出してしまうのは哲学ではない」
私は結論を述べた
「それでは哲学はどんな物だ」
彼が問うた
「哲学と知らずに行う事が哲学だ」
私は答えた
「では哲学は存在しないな」
彼が確認した
「あぁ、哲学は存在しない」
私が答えた
「ではお前も存在しないな」
彼が言った


哲学は哲学でそれは物を考察する事考えることに始まり正しい物事を導き出す物であるがそれがただの論理学と異なる点はそれが世界の存在に基づいている点であり哲学は机上の空論ではなく机上の空論に最も近くそれは哲学と呼ぶにはあまりにも軽々しく重々しくつまりそれは哲学の範疇に収まらない哲学で世界のすべてを内包しつつ全てから外れていてそれは全てを証明するための学問でありつつしかし数学ともかけ離れていてそれは考えることに始まり考えることに終わり地に足の着いていない学問の癖にすべての学問の基盤でそれは全てを愛することで知を愛することで全ては知であり知の世界にすべてがあるけれど知の世界は存在しない世界で私たちのあずかり知らぬ世界でそれは机上の空論に最も近いけれどそれこそが世界を証明していて私達はその世界の中に居るけれどもその世界を外から眺めていて世界は常に知覚されているけれども知覚されない世界は存在しなくて私の存在は私自身では知覚出来なくて知覚している世界が正しいのかも分からなくて世界には何があるのかも分からなくてそれには何があるのかも分からなくて貴方には何があるのかも分からなくてそれでもただ知覚して検討して考えて証明して崩して反論して亡くして分からなくなって理解してそれが全てであるけれどそれが哲学と言ってしまえばそれを知覚してしまうからそれの存在は無い事になってしまうからつまり哲学と言う物に実態は無いけれど哲学は全ての実態の元になってしまいそして哲学は何かということに答えを出してしまえばそれはすなわち思考の停止となりその時点で哲学は停止してしまうから哲学の真髄を知るためには哲学をやめて哲学を身につけなくてはならなくてそれはつまり哲学とは言えず知を愛していないのに哲学しているのは哲学ではなくただの偶然で哲学と言う物は存在せずそこには近くも存在せず貴方も存在せず私も存在せずそれが哲学かと聞けば哲学だと答えるしかないけれどそれは限りなく哲学から離れていて答えを出すことはできないけれど答えを求めるしかできなくてそこにある答えとは一体何なのかと問いかけるけれど答えを期待しながらも決して答えが出てはいけなくてそれは絶対哲学ではないがその絶対という言葉すらも存在してはいけない全ての存在を疑って亡くして自分だけが残った時自分を知覚する物もいなくなりそれは全ての消失につながり自分がいなくなった結果それは哲学だけがそこに残る哲学だけがそこに残るしかしそれは哲学じゃないよそれは哲学じゃないよ


「だからどうした?」
私が答えた
「それこそが哲学だな」
彼は満足した




※この文章は非哲学的文章です
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